
巨大壁画「明日の神話」岡本太郎作を見た。
長さ30m高さ5mの壁画は下から見上げたのでは、
とうてい両目には入らない。
離れた階上からでも目を左右に移動しながら
鑑賞するほどの大作である。
1968年、万博の「太陽の塔」とともに制作を開始し、
依頼されたメキシコと、日本との往復を繰り返していたとのこと。
水爆の炸裂の瞬間がテーマで、中央の燃える骸骨が鮮烈である。
広島や大阪が候補地にあがっていたが、この雑踏の渋谷こそ、
適所のように思える。
作者が伝えたかったメッセージが、
雑踏のシーンに息づいているような気がするからだ。
40年前の作品の燃え滾るパワーは、作者だけではなく、
高度経済成長まっただなかの日本人一人ひとりのエネルギーを
象徴しているかのようだ。