二つ折りの懐紙から、今にもはみ出さんばかりで、
一体原型はどんな柿だったのか。

その製作者は、長野の大き目の柿といっていたが、
中央区勝どきのマンションの軒下に吊るし、2週間くらい干して
熟成したものとか。
おそるおそる口に入れたが、なんとも甘いこと。
皮も硬くなく、中はとろーとしていて、絶品である。
一つで食べ応えも十分。
きっと真心こめて作っているから、おいしいのでしょう。
話は変わるが、この家には、二匹の猫がいるそうな。
しかし、白い猫は、客人がいるときは姿を現さないとか。
身をひそめている場所はわかっているのだが、
そこは外からは開けられない。
猫の通り道があって、猫はそこを行き来する。
その場所は風呂場にある下着を入れてあるワードローブの
引き出しの中なのだ。
もう一匹の猫が半開きになっている引き出しから飛び出してきた。
しかし、白い猫は姿を現さない。
この猫は引き出しを自分であけて、そこに潜むらしい。
猫はコタツで丸くなるのではなく、
引き出しの中で丸くなっているのだ。
なにぶん、白い猫は姿が見えないので幻の猫だ。