先生は、講演の1ヶ月ほど前に膝を負傷したという。
周囲はそりゃ大変、講演日までにどのくらい治っているか、
車椅子でも用意しなければ…と大慌て。
リハビリしたから大丈夫という先生の電話やメールを信じ、
当日、本社の最寄り駅まで、お迎えに行くと
「ごめんなさい。去年さらわれちゃったの」と笑顔で言う。
一瞬、誰が誰にさらわれたのかと目をぱちくりするが、意味不通。
先生いわく、「お皿がね、割れちゃったの。だから、さら、われる、ご心配かけまして」と。
「もう、先生ったら!」と思わず睨んでしまった。
そして驚いたことに、先生の足もとを見ると、高さ数センチのブーツを履いているではないか。
「えー、先生おみ足は大丈夫ですか、その靴で」と。
いくら、若いときに鍛えた足腰とはいえ、足の負傷をして、
ブーツは不安ではないのだろうかと他人事ながら心配してしまった。
数年前にヒコツを骨折した私は、いまだに高い靴は不安だからだ。
先生は「ゆっくり歩けば平気よ―」。恐れ入りました。
そしてさらに驚いたことに、先生は会場に着くと、靴を履き替えた。
なんとブーツよりも高い、しかもピンヒールの靴。
またしても私は大声を出してしまった。「えー、先生、大丈夫ですか〜」。
「そんなに動かないから平気よ」と先生。
プロの心意気に脱帽でした!
「マナーは愛」の講演も参加者が皆引き込まれ、思わずぐぐっと涙した人もいたようです。
先生との出会いは、かれこれ25年前。
そのときの先生のことば“化粧栄えするよりも心栄えする”ことに力を入れたいと…。
久しぶりにお目にかかりましたが、温かいパワーをいただきました。
ありがとうございました!