午後はこのあたりを散策。
急坂道を息を切らしながら登り、
ふう〜と息を吐いて、立ち止まり、腰を伸ばして顔を上げました。
そのとき、猿と出くわし、じっと見詰め合ってしまいました。
体格がよく、毛並みもよく、真っ赤で、きれいな顔の猿でした。
瞬間的に「猿の惑星」のあのこっけいな猿が思い出され、
この本物の猿が、より猿らしく思えたのです。
しかし、飛び掛ってきたら、私は逃げられない…。
それほど至近距離でした。
思わず私の右手が上がり、敬礼をしていました。
猿に新年の挨拶をしたわけではありませんが、
ことばにはならないコミュニケーションでした。
数秒して、携帯を取り出し、写真を撮ろうと思ったら、
あっという間に茂みに入って、駆け下りていきました。
そのあとを追うように、ガサガサパキパキと
小枝から小枝に小猿が飛び移っていきます。数匹いるようです。
そして、最後にのそのそと歩いていく年老いた猿。
猿ファミリーの一団でした。
最初に出くわしたのは、きっと母親猿でしょう。
山から下りてきたのか、露天の温泉にでも浸かりにいくのか、
さだかではありませんが、猿も驚いたことでしょう。
このあたりも少しずつ、自然を切開いているので、
野生の動物が住み難くなっているのかもしれません。