他人に対しても自分に対してもです。
ありがとうの効果の実践例をご紹介しましょう。
仕事先のXさんは入社4年目、いろいろな店を経て、パートナーさんが多い
居酒屋店に異動。
パートナーさんといえどもベテランも多く、彼女はその店では新人同様です。
とはいえ社員として会社から期待されることも多く、
そんななかで早く仕事がスムーズにできるようにならなければと
思いついたのが「ありがとうノート」。
異動2ヵ月後、「ありがとうノート」を作成し、誰でも自由に見たり書いたりしてもらえるように
見やすい場所に置きました。ノートには、毎日、彼女によって「ありがとう」が書き込まれます。
初めは「○○さん、××を教えてくれてありがとうございます」からはじまり、
「手伝ってくれてありがとう」「替わってくれてありがとう」「〜してくれてありがとう」というように、
仕事を通じて、気づいたことを細かく見つめ、わずか1〜2行ですが書き留めていったのです。
その場で感謝の気持ちを言えないこともあるかもしれません。
いえても何度いってもいいのです。書くことも有効です。
最初は本人のサインだけでしたが、少し経つと、ありがとうをいわれた仲間のサインがあります。
20日くらい経つとついに仲間の書き込みが…。
新人男性が書き込みをしました。「○○さん、教えてくれてありがとうございます」と。
サインの数も少し増えています。
ぽつり、ぽつりとパートナーさんも書き込むようになりました。
そんな具合にありがとうコメントは12月の繁忙期を迎えるまで、ほぼ毎日、継続していました。
コミュニケーションがとりにくい現場では、相手のことがよくわかりません。
しかし、誰でも目にするこの「ありがとう」は、より心に留まり、
ホワーっとしたものが広がったに違いありません。
彼女はこのノートを通して、自分を知ってもらうきっかけを作り、
仲間への感謝を素直に表現し、よりスムーズに人間関係を築きました。
いまはすっかり、頼れる社員として、職場を活気付けています。
このノートには「ありがとう」を言い続ける効果が見事に刻まれています。
誰にでもできそうだけど、やるには勇気がいります。
継続するには根気も必要です。
やれば、何かが得られます。