なんと魅惑的、幻想的なフレーズ。
写真ではイメージしにくい。ならば出かけるしかない。
友人夫妻の企画・演奏でもあることだし、
伊勢での月遥拝と太陽遥拝、なかなか体験できるものではない。
〜私をこの旅に誘ったドラマのハイライト〜
雲龍氏の奉納の笛の音が波間と夜空に漂い、
何かを願い、待ち続けるひととき、1年の思いが巡っては去ってゆく。
やがて、伊勢二見浦の夫婦岩の上から赤い月が膨らむように昇る。
そして暗い海面に赤い月あかりがゆらゆらと道となり、こちらへ。
初めて目にするこの赤い月、ゆらゆらする龍宮への道、渡ってみたくなるほどだ。
その神秘さに一人なら感涙していただろう。神秘的な写真は雲龍氏HPにて。
https://www.facebook.com/eizaburo.okura
〜ドラマの始まり〜
日中、禊の浜といわれる二見浦海岸を散策し、興玉神社へ。
そして波打つ夫婦岩を眺め、月の出の楽しみを想う。
宿泊場所の朝日館で、雲龍氏の笛の演奏を楽しむプログラムは、なんと雲居の間
(昭和天皇がご宿泊した特別な部屋)にて、石州流のお茶席を楽しみながら
まずは影笛を聞くという贅沢な趣向でした。
格天井、床の間は螺鈿の框、細工の見事な欄間、お茶道具もこの空間に見合う
立派なお棚をはじめ、お軸など大ぶりのお道具ばかり。
この日のために運び入れたんですね。
お茶菓子も夫婦岩をイメージした特別な菓子。
気楽ではありながらその優美さに驚きと静寂さがない交ぜになり、
不思議な浮遊感でした。
そのあとの笛の演奏で、少し落ち着きましたが、
これから始まる赤い月と龍の道への高まりでしょうか。
観月後の夕食はまたまた贅沢な宴。伊勢エビや伊勢牛のご馳走、
そしてご夫妻からの感謝のプレゼント。
私は「十六夜」賞で、匂い袋を頂戴しました。
次の朝は、伊勢神宮内宮の宇治橋正面にて朝陽を拝礼しました。
5分で雲に覆われてしまいましたが、笛の音をききながら、
太陽の残像とともに、2016年来る年を予感しました。
思いがたくさん詰まったこの旅に多謝。そして皆々様に幸あれ。