2007年06月10日

プロの手さばきに心を奪われる

婦人服オーダー専門店にリフォームを依頼したときのこと。
そのスーツは20年も前にオーダーメードしたものでしたが、あまりにも大きな肩は今風ではなく、しかし生地の風合いが気に入って手放せなかったのです。

店のオーナーらしき人に、肩幅を詰めたいというと、彼女は差し出した服を怪訝そうに見ながら、「オーダー品ですね。既製品のリフォームはしませんが、こちらなら」と引き受けてくれました。

持ち込んだ理由を簡単に説明すると、オーナーは頷いたかと思うと卓上に上着を広げ、袖部分の裏生地をさっと解き、肩パットを取り出し、私に試着をさせて、「○センチ中に入れるといいですね。袖ぐりと脇を少し詰めたほうが自然なラインが出ます」といってピン打ちをしました。

その手際のよさに驚きましたが、「こうすると○○円です」と的確な答えです。さらに、「このボタンがアクセントになっていますが、ボタンを変えたほうが落ち着くと思います。付属品は○○円です」と提示しました。

肩詰めのことだけを考えていた私にとって、思わぬうれしいひとことでした。彼女の手馴れた服の扱いと自信に満ちたアドバイスは、私にあれこれと迷わせることがないほど、的確な対応だったのです。

リフォームではお客様のニーズが明確でない場合は、じっくりニーズを探らなければならないこともありますが、この場合、オーナーの決断の早さが私に小気味よさを感じさせ、信頼となり、積年の思いを遂げたような安堵感を覚えたのです。

プロの手さばきも信頼度を増す「おもてなし」です。〜ファッション販売7月号『私が受けた思い出のサービスと最悪のサービス』寄稿より一部抜粋
posted by エミング at 13:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ワク・ニコ・きらり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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